鍋・汁
三重県 松阪市
盆汁
さちとあじ · FOOD & DRINK
夏野菜を七種ほど入れて味噌で煮る。盆に肉と魚を断つ日の椀。
この場所の物語
動物のものが、一つも入っていない椀です。禅宗の家では、盆に殺生をしてはいけないとされています。だから肉も魚も食べず、鰹節や煮干しの出汁も使いません。それでいて、具だくさんの汁なんですよね。三重県の松阪に伝わるもので、作るのは7月から8月にかけて。
7種類の具を使うので、七色汁とも呼ばれてきました。入るのは大豆、牛蒡、茄子、人参、南瓜、油揚げ、16ささげ。夏の旬のものを、味噌の汁に入れます。江戸の文献にも、それらしい記述が残っています。1813年の松坂風俗記に、汁は牛蒡、茄子、かんぴょう、大豆などをごまごまと入れる、と書かれているそうです。
いまは松阪の学校給食にも出ています。中南勢から東紀州にかけて、この椀が盆に並びます。禁じられていることのほうから決まった料理が、いまは8月のふつうの昼に、子どもの前へ出されているわけです。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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