手賀沼の岸を歩いていると、野鳥の声と、遠くを走る常磐線の音が、ふしぎなくらい自然に混ざり合っているんですよ。
水辺にそって我孫子市鳥の博物館や山階鳥類研究所があって、鳥を軸にした知の積み重ねが、ふだんの散歩道のすぐそばにある、というのがいいなあ、と思うんです。大正のころ、志賀直哉や武者小路実篤ら白樺派の文人たちがこの土地に暮らしを構えたことは、白樺文学館に行くとその気配がまだ残っていて、「北の鎌倉」という呼び名が、単なる昔話じゃなく、今の街の落ち着きにつながっている気がします。
上野東京ラインで東京まで出られる距離感でありながら、下総台地の起伏と沼の水面がそこにあるので、一日のうちに、デスクの前と、岸辺の風と、両方を持てるんですよね。手賀沼エコマラソンやジャパン・バード・フェスティバルのように、土地の自然をそのまま使ったイベントが根づいているのも、暮らしの解像度が高い証拠だと思うんです。
江戸神輿の文化や、鯉料理、うなぎ料理といった利根川・手賀沼の水辺ならではの食が今もあって、水運で栄えた時代の記憶が、かたちを変えながらここに残っている、というのが、この土地のいちばん深いところにある手触りかもしれません。
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一日では、たぶん足りない。
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