野菜・豆の料理
埼玉県 越谷市
くわいの含め煮
さちとあじ · FOOD & DRINK
芽の出た慈姑を甘辛く煮る。正月の膳に、芽の形のまま並ぶ。
この場所の物語
芽を切り落とさずに、上を向いた形のまま膳に載ります。この芋は、大きく長い芽をつけるんですよ。それがめでたいとされて、正月のおせちには欠かせないものになりました。含め煮にするときは、くちなしの実を使って、鮮やかな黄色に仕上げます。煮汁は薄めにして、芋の色を消さないようにするんですよ。
埼玉では、県の東南を流れる綾瀬川の流域、稲作に向かない低い湿地で慈姑を作ってきました。越谷や草加、さいたまのあたりです。6月の下旬から7月の上旬に苗を植えて、穫れるのは11月の末から12月のうち。それだけの短い期間しかありません。
塊茎の付き方が、母が幼子に乳をやる姿を思わせる、という言い方もあるそうです。託されているのは、子孫の繁栄に、健康に、立身出世。ひとつの芋に、ずいぶん多くのことが託されてきたことになります。食べる前に、まず見るための芋なのだと思います。芽の形が、この芋を膳に置く理由のすべてなんですよね。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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