image · pastoral × balanced (proxy)
この場所の物語
太平洋に向かって半島がぐっと突き出している、その先端に立つと、陸地の終わりというものをからだで感じるんですよね。鉄道も高速道路も届かないから、ここへたどり着くまでに、すこしだけ覚悟みたいなものが要る。それがかえって、着いたときの静けさをはっきりさせてくれるんです。
吉福家住宅の屋敷を見ると、かつて清水サバや鰹節でこの海辺が活気づいていたころの厚みが、木の柱や土間からじわっと伝わってくる感じがあって、いいんですよね。明治の網元文化が残した建物が、ふだんの風景のなかに普通に立っているというのが、ここのおもしろいところで、博物館的な仰々しさがない。清水の名水という湧き水が市の名前の由来になっているくらいだから、この土地は水のことを昔からたいせつにしてきたんだなあと思う。
今ノ山の山地に背中を押されるようにして海に向いた地形は、遠くから来た人間にとっても、しばらく住んでみようとする人間にとっても、「ここはどこかの途中じゃなくて、ここ自体が目的地なんだ」と気づかせてくれる場所で、足摺宇和海国立公園の海岸線を歩いていると、そのことがすこし、腑に落ちるんです。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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