温泉
この場所の物語
石畳のそばに、古い湯屋がひっそりと建っている。入来温泉は、600年以上前から人びとが浸かってきた場所なんです。江戸時代には領主が経営する六つの温泉が並んでいたというから、湯はずっとこの町の真ん中にあったんだなあ、と思います。
柴垣湯やあぜろ湯は、そのころの湯屋の記憶をいまも引き継ぐ市営浴場で、ふだんの暮らしと湯がきちんとつながっている。城跡や武家屋敷跡のそばを歩くと、時間のながれがすこし別の速さになるような気がするんです。長く泊まるほど、この土地のゆっくりした呼吸が体に入ってくるでしょう。
生活拠点として考えても、市営浴場が近くにある日常というのは、うれしいものだと思います。海外からの旅人にとっては、観光のための温泉でなく、地域の人たちが実際に使ってきた湯に浸かれるということが、ここならではの手触りになるんじゃないかな。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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