菓子
山口県 萩市
夏みかん菓子
さちとあじ · FOOD & DRINK
夏みかんの皮を砂糖で炊く。城下町に木が多く残っている。
この場所の物語
捨てるところで作った菓子なんですよ。萩の土塀の上から、黄色い実がいくつも覗いています。あの夏みかんの景色は、そんなに古いものではないんですよ。明治になってから作られていった景色なんですよ。1863年に、藩の役所が萩から山口へ移っていきました。
城下に残された人たちは、暮らしが立たなくなります。そこへ小幡高政という人が、空き家同然になった侍屋敷に夏みかんの種を蒔きました。育った苗を、士族たちへ配って回ります。それで、町じゅうがすっかり夏みかん畑になったのだそうです。菓子のほうは、その皮で作ります。
皮をやわらかく煮てから、皮と同じくらいの重さの砂糖を、三度に分けて入れて炊きます。苦みは残したまま、甘くしていくんですよ。食べるところではなく、捨てるところで作った菓子になります。仕事を失った人たちが植えた木の、いちばん外側だけを使っています。萩の黄色い景色は、そこから始まりました。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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