米子駅のホームに降り立つと、三本の路線が枝分かれしていく感じが、この町の立ち位置をそのまま体で教えてくれるんですよね。山陰本線、境線、伯備線——どこへでも行けるし、どこからでも戻ってこられる。そういう場所に、ふだんの暮らしの根っこを置くのは、なんだかいいなあ、と思うんです。
後藤家住宅の主屋と蔵群が内町に残っているのを見ると、江戸初期からの回船問屋の商いが、ちゃんとこの町の骨格になっているのがわかります。牛骨ラーメンや春雨入りの茶碗蒸しみたいな、ちょっと独特な食べものが今も生きているのも、長い商業都市の歴史が育てた日常の積み重ねなんだろうな、と感じます。
皆生温泉は日本海に面していて、全日本トライアスロン皆生大会の発祥地でもあるから、湯につかりながら海を眺めるだけじゃなく、もう少し体を動かしたくなってくる場所でもあります。大山隠岐自然公園の丘陵が南に控え、弓ヶ浜半島が北西に伸びていて、山と海がこれほど近い距離に並んでいる町は、そうそうないんです。上淀白鳳の丘展示館で白鳳期の壁画と向き合ったあと、崎津や皆生の漁港で松葉ガニの水揚げを眺めると、時間の層がすごくぶ厚い、と静かに実感します。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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