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この場所の物語
砂町銀座の商店街を歩くと、ふだんの買い物の空気がそのままそこにあって、なんだかほっとするんですよね。隅田川と荒川に挟まれたこの低地は、江戸の木材流通から豊洲市場の食の流通まで、「ものが動く場所」としての記憶を地面の下にずっと持っていて、それが街の体温みたいになっている気がします。
清洲橋を渡りながら、東京都現代美術館へ向かう道すじには、古い信仰と新しい建築が、とくに説明もなく並んでいて、すこしふしぎでいいなあと思う。深川不動堂の線香の煙と、有明のガラス張りの施設とが、同じ路線でつながっているというのも、この土地ならではのぐあいというか、どちらかに絞りきらない感じがむしろ居心地よくて、長く滞在してみたくなるんです。
東京ビッグサイトやりんかい線の沿線には、仕事で来る人も、はじめて訪れる人も、ごちゃっと混ざっている。亀戸天神社の藤祭りや深川祭のような、江戸からつづく祭事が今も生きているそばに、ウォーターフロントの風景がある。そのどちらも「よそ行き」じゃなくて、地続きのふだん暮らしとして成り立っているところが、江東区のいちばん正直な顔だと思うんです。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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