漬物・発酵
愛媛県 松山市
緋の蕪漬
さちとあじ · FOOD & DRINK
赤い蕪を橙の酢で漬ける。漬かると、鮮やかな紅に変わる。
この場所の物語
染めているのではなく、もとから持っていた色が出てきます。皮は紫がかっていて、中は白い蕪です。それを橙の酢に漬けると、色素が酢に反応して、鮮やかな緋色に変わるんですよ。愛媛県の松山で、旬は12月から2月にかけて。
300年あまり前、蒲生忠知が松山へ移されたときに、先祖の土地である近江の日野から蕪を持ってきました。それが松山の土に合って、改良され、名物になったと伝わります。長く漬けるものではなく、正月に間に合わせて漬けます。正月の膳には欠かせないもので、家ごとに漬けられてきました。
その年の最初の漬かりで緋色が冴えていれば、よい年になるという言い伝えがあります。正岡子規は、緋の蕪や膳のまわりも春景色、と詠んでいるんですよ。1月の膳の、暗い色と白い色ばかりのなかで、そこだけが4月の色をしています。染めた色ではないと知ってから、この一皿の見え方が変わりました。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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