寿司
愛媛県 松山市
松山鮓
さちとあじ · FOOD & DRINK
瀬戸内の小魚でだしを取り、飯に混ぜて具を散らす。客が来る日に作る。
この場所の物語
魚の味が、具ではなく飯のほうに入っています。エソやトラハゼといった瀬戸の小魚で取った出汁と、甘めの酢を合わせて飯に混ぜるんですよ。そこへ刻んだ穴子と、季節の野菜を混ぜ込みます。混ぜることを、この土地の言葉でもぶる、と言うそうです。具を混ぜ込むのではなく、飯のほうに味を入れてあります。
それで、もぶり鮓とも呼ばれています。客が来る日と、祝いの日のものです。人が集まると、大きな鉢にどさっと作ることになります。1892年、夏目漱石が初めて松山へ来て、正岡子規の家に寄りました。子規の母が、これを出したそうです。
漱石は喜んで、1粒もこぼさないように食べたと伝わります。子規のほうは、われ愛す わが豫州 松山の鮓、と詠んでいます。故郷の味というのは、こういう形で残るものなんですよね。もてなしの飯だから、手を掛ける先が飯になったのでしょう。飯のほうに魚が入っている理由も、たぶんそこにあります。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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