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この場所の物語
酒蔵通りの白壁と赤瓦が、西条の空に静かに並んでいるんですよね。灘・伏見と肩を並べる酒処として、江戸の時代から米と水がここに集まってきた。その蓄積が、まちのあちこちにすこし古い空気として残っていて、歩きながらふだんとちがう呼吸ができる気がします。
広島大学の移転によって学園都市としての顔も育ち、酒類総合研究所が東京からこの地を選んだことも、なんだか土地の底力を物語っているなあと思います。研究者も醸造家も、同じ盆地の空気を吸いながら暮らしているというのが、東広島のおもしろいところです。新幹線の東広島駅もあって、広島市街へも出やすい。日々の動線をそこに置いてみると、意外にのびのびした暮らしが組み立てられるんです。
安芸津のカキや赤煉瓦、竹林寺の本堂、旧木原家住宅の四天柱式の柱——そういうものが、観光の文脈とは少しずれたところに、ふつうにある。「酒まつり」の10月だけでなく、静かな季節に訪れると、西条盆地の地形そのものがじんわり見えてくるんです。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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