丼・飯
埼玉県 秩父市
かてめし
さちとあじ · FOOD & DRINK
具を炊いて飯に混ぜる。米を伸ばすための食べ方が、祝いの膳に残った。
この場所の物語
かて、というのは、かさを増すという意味です。米が足りないので、煮た具を混ぜて量を増やしました。埼玉県の秩父や比企のあたりは、稲を作るのに向いていません。作れる土地でも、米は地主へ納めるものでしたし、売れば銭になりました。
冠婚葬祭のぶんを取り分けたら、あとは手元に残りません。それで、飯を伸ばすための食べ方が要ったんですよね。入れるのは干したずいき、干し椎茸、人参、牛蒡、油揚げ。それらに味をつけて煮てから、飯に混ぜていきます。
この料理でいちばん面白いのは、ここから先の話なんですよ。この料理には、醤油というものを使います。醤油は、農家にとってはハレの日のものでした。だから、かさを増やすための飯が、人の集まる日の膳に載るようになります。足りないから作ったものが、めでたい日の料理になっているわけです。かさを増やす工夫と、改まった味とが、同じ茶碗に入っています。混ぜるという一手だけで、両方が済んでいます。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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