鍋・汁
青森県
けの汁
さちとあじ · FOOD & DRINK
大根や人参、山菜を細かく刻んで煮る精進の汁。大鍋で作り、温め直して食べ継ぐ。
この場所の物語
作った人がいない日のために、作られた汁でした。もとは、正月じゅう客の相手をしていた嫁が、小正月に里へ帰るとき、男衆のために作りおいたものなんですよね。凍った汁を崩して温め直し、何日も食べ継いだそうです。青森県の津軽で、旬は1月から2月にかけて。
けは方言で粥のことだそうで、粥の汁がなまったという説があります。津軽の七草がゆ、と呼ぶ人もいます。大根、人参、蕨、牛蒡、凍み豆腐、油揚げ、こんにゃく、ささげ。それを全部、細かいさいの目に刻むところから支度が始まります。そこへ、すりつぶした青大豆も加えるんですよ。
刻んだ具を、穫れない年の米に見立てたのだとも言われます。温め直すたびに味がしみて、後のほうがうまくなるのだそうです。名前より先に、その段取りのほうを覚えることになりました。いない人のために鍋を作っておく、という発想が先にあります。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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