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この場所の物語
岐志の渡船場から十六分、玄界灘の波を渡ると姫島に着く。北岸は玄武岩の断崖がそそり立ち、南側にはちいさな集落と姫島漁港がしずかに営まれているんですよね。鎮山という百八十メートルほどの島の背骨には、江戸の遠見番所の名残と登山道が残っていて、のぼれば唐津や壱岐のほうまで見渡せるそうです。
幕末にこの島へ流された野村望東尼の御堂が、南西の岸に立っているのもいいなあと思うんです。流刑地だったという記憶が、今もこの島のしずけさのなかにそっと畳まれている。
ふだんの暮らしの拠点としては、福祉センター「はまゆう」がぽつんとあり、筑前前原駅からバスと渡船を乗り継ぐ道のりが、そのまま島の時間に切り替わる装置になっている。一日四便という渡船のリズムにあわせて、本を読んだり、コーヒーを淹れたり、鎮山をすこし歩いたりする日々は、たぶんとても濃いのだと思います。短く訪れる人には、玄界灘のただなかにある花崗岩の島、というそのことじたいが、なかなか他に代えがたい手触りになるはずなんですよね。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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この場所の中身
島の上にあるもの
- 玄海
- 姫島
- 姫島
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