鍋・汁
大阪府 大阪市
船場汁
さちとあじ · FOOD & DRINK
塩鯖のあらと大根を澄まし汁にする。商家の台所から出た倹約の椀。
この場所の物語
あらを使う理由のほうは、もう無くなっています。塩鯖の、身を取ったあとの頭と骨とあら。そのあらで出汁を取って、大根をことこと煮ていくんですよ。そこへ昆布の出汁を合わせて、塩で味を調えた澄まし汁にするんですよ。仕上げに、刻んだ葱を散らします。
船場は、明治から大正にかけて大阪の商いの中心だった問屋の町です。奉公人を、たいへん大勢抱えていました。その家の食事は質素で、朝と夕は茶漬けと漬物だったそうです。昼のほうが、一汁一菜になります。魚が膳に出るのは、月に2度だけでした。
その月に2度の魚の、身を取ったあとの部分を使ったのが、この汁です。捨てるところが無くて、値のほうも安い。そのうえ、手間までかからない。人手のいる商家には、その3つが揃っていることが要りました。いまは新しい鯖の切り身で作ることもあるそうです。仕上げのところで酢や醤油を足すこともある、と聞いています。名前と作り方だけが、そのまま残ったことになります。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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