麺
京都府 京都市
にしんそば
さちとあじ · FOOD & DRINK
甘く煮た身欠き鰊を温かい蕎麦に載せる。煮汁が汁へ溶けて甘みが移っていく。
この場所の物語
海から遠い京都の名物に、鰊が載っています。もちろん、生の鰊ではありません。身欠き鰊という、干して固くしたものを戻して、甘辛く煮ます。それを、温かい蕎麦の上にそっと置くんですよ。山に囲まれた土地なので、乾かした魚を戻して使う工夫が進みました。
鰊は江差のあたりから、北前船で運ばれてきたと言われます。日本海を回って、山を越えて、京の店まで来ました。1882年、松葉という店の二代目、松野与三吉がこれを思いついたと伝わります。芝居小屋の近くで、いまも同じ名前で続いているそうです。冬の京都では、これを食べる人が多くなります。
煮た鰊を汁に沈めると、煮汁がすこしずつ溶け出していきます。食べ進むにつれて、蕎麦の汁のほうが甘くなっていくんですよ。食べ終わるころには、はじめと味が違っているんですよ。時間のかかる魚が、椀の中でもう一度、時間を使うことになります。干して、戻して、煮て、それでもまだ変わり続けます。
泊まるなら
一日では、たぶん足りない。
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