尾張瀬戸駅の駅舎が、登り窯の形をしているんですよ。その形を見ただけで、この町が何者なのか、なんとなくわかる気がするんです。
瀬戸焼の産地として、1300年ものあいだ土と炎に向き合ってきた町ですから、街を歩くと、あちこちに窯の記憶がにじんでいます。せと末広町商店街のアーケードをぶらぶらしながら、焼き物の器や道具を手に取ってみると、ふだん使いの重さと温もりが、てのひらにのってくる感じがあって、いいんですよね。赤津焼会館では赤津の窯元の作品が並んでいて、眺めているだけで半日すぎてしまいます。
海上の森は、600ヘクタールほどの里山と森林で、小さな湿地がいくつも点在しているんです。愛知万博の跡地という来歴を持ちながら、いまは静かな環境保全の場所として残っていて、散歩しながらPCの画面から目を離すのに、ちょうどいいぐあいの場所です。
名古屋の中心部から名鉄瀬戸線で気軽に来られるのに、着いてみると窯跡や寺院や里山がある、という落差が、この町の一番おもしろいところかもしれません。9月のせともの祭には全国から人が集まり、陶器の廉売市が広がる光景は、ここでしか見られないものです。
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一日では、たぶん足りない。
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